1 総 則
1.1 目 的
この基本要領は、装備本部において契約する火砲及び弾薬類に係る射撃試験のための射撃について、装備本部が契約相手方からの支援の要請に基づき、自ら射場勤務を編成して射撃を実施する場合の基本事項を定めることを目的とする。
1.2 適用範囲
この基本要領は、陸上自衛隊の原村演習場領収射場及び日出生台演習場扇山領収射場で実施する火砲の射撃試験のための射撃並びに技術研究本部下北試験場で実施する弾薬類の射撃試験のための射撃に適用する。
1.3 用語の意義
この基本要領において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 射撃試験
契約に基づき、火砲及び弾薬類の品質及び性能の確認等のために行う射撃並びにこれに伴う計測等をいう。
(2) 射撃
射撃試験のために行う射撃、爆破及び投射をいう。
(3) 火砲
口径20mm以上の砲及び縮射装置をいう。
(4) 弾薬類 小火器弾薬、火砲弾薬、ロケット弾、信管、発射装薬、その他火薬を主要構成品としているもの及び化学火工品をいう。
(5) 支部長等
支部長又は事務所長をいう。
(6) 支援部隊等
陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊及び技術研究本部をいう。
2 射撃基本要領
2.1 試験品名、実施時期及び場所並びに支援部隊等の支援の範囲
試験品名、実施時期及び場所並びに支援部隊等の支援の範囲は、各年度ごとに別途通達する。
2.2 射場勤務編成の基準
支部長等は、次の射撃に係る射場勤務編成を基準とし,実情に応じた射場勤務編成を定めるものとする。
2.3 射場指揮官等の指定
支部長等は、次により射場指揮官、射撃班長、安全班長及び警戒班長を指定するものとする。
(1) 射場指揮官は、火砲又は弾薬類の監督・検査を担当する監督官又は完成検査官(以下「監督官等」という。)のうち、適任者を充てる。
(2) 射撃班長、安全班長及び警戒班長は、支部等の監督官等、支援部隊等の隊員及び契約相手方の派遣員の中から適任者を充てる。契約相手方の派遣員を充てる場合は、契約相手方から支部長等あてに書面による届け出をさせるものとする。
(3) 契約相手方の派遣員を充てる場合の適任者の資格要件については、別途指示する。
2.4 射場勤務者の任務
(1) 射場指揮官
ア 射場指揮官は、射場における全勤務員を統制し、射撃について効率的かつ安全な実施の全責任を負う。
イ 射場指揮官は、射撃試験実施計画に基づき、射撃実施を計画する。
ウ 射場指揮官は、計測従事者に対しても射撃に伴う安全について統制する。
(2) 射撃班長
射撃班長は、射場指揮官の統制を受け、射撃班勤務員を指示して、射撃を実施する。
(3) 安全班長
安全班長は、射場指揮官の統制を受け、安全班勤務員を指示して、射場内及び射撃中の安全を確認する。
(4) 警戒班長
警戒班長は、射場指揮官の統制を受け、警戒班勤務員を指示して、射場全般の警戒、特に関係者以外の射場への立ち入りを警戒する。
2.5 安全管理
射場指揮官以下は、次により射撃に関する安全管理の万全を期するものとする。
(1) 安全遵守事項
ア 射場においては、厳正な規律を保持し、諸勤務を確実に行い、危害の防止に努める。
イ 射撃は、計画に基づき、手順どおりに実施する。
ウ 射撃開始時、射撃終了時には全員集合し、異常の有無を確認する。
エ 射撃開始、射撃中止及び射撃再開並びに射撃終了は、明確にする。
オ 火砲及び弾薬類並びに試験用器材・設備は、適正に取り扱うとともに、射撃開始前、射撃終了後に点検する。
力 危険区域には、限界線を設け、関係者以外の立ち入りを禁止するとともに、警戒の処置を講ずる。
キ 危険区域を行動する者に対し、防護する処置を講ずる。
(2) 安全措置事項
ア 速度試験
速度試験に当たっては、速度測定のため砲口前に設置する測定器具の関係位置を考慮して、照準を適切に行い、測定器具と弾薬類との接触による事故を防止する。
イ 圧力試験
圧力試験に当たっては、次弾の装てん前に、検圧器の回収を確認する。また、発射の都度、後座量、駐退復座装置等の点検を実施する。
ウ 鋼板貫通試験
鋼板貫通試験に当たっては、完全な防護を実施する。
また、撃発操作については、遠隔操作の可能なものはそれにより発射する。
エ 射距離測定、弾体回収
弾着地点の測定及び弾体回収に当たっては、弾着地域の地形、不発弾等の状況を把握し、弾着地に立ち入る者に対して、あらかじめ危害予防のための指示を行うとともに、作業中においても適時適切な安全指導を実施する。
オ りゅう弾射撃
りゅう弾の射撃に当たっては、改造安全信管付きの場合であっても、完全な防護を実施する。
力 弾着地点選定の留意事項
(ア) 特てん弾及び徹甲弾の射撃に当たっては、跳飛のおそれのない弾着地を選定する。
(イ) えい光弾及び発煙弾の射撃に当たっては、火災発生のおそれのない弾着地を選定する。
(ウ) 板的を使用する信管の射撃に当たっては、標的貫通後の弾道を考慮し、跳飛のおそれのない場所を選定する。
キ 不発射の場合
不発射が生じた場合は、特に定めのある火砲を除き、次による。
(ア) 再度発射を実施する。
(イ) 安全装置をかけ、照準線を射だに確実に保持する。
(ウ) 5分間経過後、弾薬類を抽出する。
なお、砲身等の温度に注意し過熱による自然発火のおそれのあるときは、自然冷却するまで当該勤務者を砲側から退避させた上、弾薬類を抽出する。
(エ) 原因が弾薬類にある場合は、不発射弾として明瞭な標識をして他の弾薬類と区別する。
(3) その他
各演習場及び試験場に関する管理規則等並びに当該射撃試験に用いる火砲及び弾薬類の個別の取扱説明書・関連教範について、日頃から良く精通し、射撃の実施に当たっては、これを遵守する。
2.6 異常事態発生時の処置
(1) 射場指揮官は、異常事態が発生した場合、現場において直ちに、次の処置を行うものとする。
ア 射撃の中止
イ 必要な応急救護
ウ 関係部署への連絡通報
エ 現場の保存
(2) 支部長等は、事故が発生した場合、「 事故速報の実施要領について(通達)」(装本総務第43号18.7.31)に基づき、所要の措置を行うものとする。
なお、支部長等は、射場の実情に則した緊急連絡網をあらかじめ設定しておくものとする。